プールや水遊び、キャンプ、部活動の合宿など、夏は屋外での活動が活発になる季節です。楽しい思い出がたくさんできる一方で、実はこの時期、転倒による歯のケガが増える傾向があることをご存知でしょうか。今回は、夏に増える転倒と歯のケガについて詳しく解説していきます。
なぜ夏は転倒による歯のケガが増えやすいのか
夏は活動量そのものが増える季節であることに加え、いくつかの要因が重なることで、転倒によるケガのリスクが高まりやすくなります。
夏に転倒が増える理由
1.屋外での活動機会の増加
プールや海、公園など、屋外で体を動かす機会が一年の中でも特に多くなる季節です。活動量が増えるほど、転倒やぶつかる機会も自然と増加します。
2.水回りでの滑りやすさ
プールサイドや水遊びの場所は、水に濡れて滑りやすくなっていることが多く、走り回ることで転倒のリスクが高まります。特に子どもは興奮して走り出してしまうことも多く、注意が必要です。
3.サンダルや裸足での活動
夏場は、サンダルや裸足で過ごす機会が増えます。靴に比べて足元が不安定になりやすく、つまずきや転倒のリスクが上がることがあります。
4.暑さによる注意力の低下
厳しい暑さの中での活動は、集中力や注意力の低下を招くことがあります。夏バテによる疲労も重なり、普段であれば避けられるような段差や障害物に気づきにくくなることがあります。
5.自転車やスケートボードなどの活動増加
夏休み中は、自転車やスケートボード、キックボードなど、屋外でのアクティビティを楽しむ機会が増えます。これらの活動中の転倒は、顔面や歯への衝撃につながりやすいものです。
6.水分不足によるめまいやふらつき
夏は脱水症状を起こしやすい季節でもあります。軽度の脱水でもめまいやふらつきを感じることがあり、これが転倒の原因となることも考えられます。
7.夏祭りなど人が密集する場所での接触
夏祭りや花火大会など、人が多く集まるイベントでは、人混みの中でのつまずきや接触事故が起こりやすくなることもあります。
転倒による歯のケガで起こりうる症状
歯のぐらつき
転倒の衝撃で歯を支える歯根膜が損傷し、歯がぐらつくことがあります。
歯の破折・欠け
強い衝撃により、歯の一部が欠けたり割れたりすることがあります。
歯の脱臼(位置のずれ)
歯が正常な位置からずれる、めり込む、飛び出すといった状態になることがあります。
歯の完全脱落
強い衝撃によって、歯が根ごと完全に抜け落ちてしまうことがあります。
唇や口腔内の裂傷
歯だけでなく、転倒の際に唇や頬の内側を切ってしまうこともあります。
転倒による歯のケガへの応急処置
歯がぐらついている場合
無理に動かしたり触ったりせず、できるだけ安静を保ちましょう。
歯が欠けた場合
欠けた破片がある場合は、清潔な状態で保管し、歯科医院を受診する際に持参しましょう。
歯が完全に抜け落ちてしまった場合
歯根の部分には触れないようにし、汚れている場合は流水で優しくすすぐ程度にとどめます。乾燥させないよう、可能であれば元の位置に戻すか、牛乳などに浸した状態で、できるだけ早く(理想は30分以内)歯科医院を受診しましょう。
出血がある場合
清潔なガーゼやタオルで優しく圧迫し、止血を試みながら、必要に応じて医療機関を受診しましょう。
夏の転倒による歯のケガを防ぐための対策
1.水回りでは走らないよう注意喚起する
プールサイドや水遊びの場所では、走らないよう日頃から声かけをしておくことが大切です。特に子どもには繰り返し伝えることが効果的です。
2.適切な履物を選ぶ
活動内容に応じて、滑りにくい素材の履物を選ぶことで、転倒のリスクを軽減できます。屋外でのアクティビティでは、サンダルよりも運動靴の方が安定感がある場合もあります。
3.こまめな休憩と水分補給を心がける
暑さによる注意力の低下や、脱水によるふらつきを防ぐため、こまめな休憩と水分補給を意識しましょう。
4.自転車やスケートボード使用時はヘルメットや保護具を着用する
自転車やスケートボードなどのアクティビティを行う際は、ヘルメットに加えて、可能であればマウスガードなどの保護具の着用も検討するとよいでしょう。
5.活動する場所の安全確認をする
段差や滑りやすい場所がないか、事前に活動場所を確認しておくことも、転倒予防につながります。
子どもの転倒による歯のケガへの特別な配慮
乳歯の場合
乳歯を強くぶつけた場合、その下で育っている永久歯の芽に影響が及ぶことがあります。乳歯が抜けてしまった場合、無理に元に戻そうとせず、歯科医院で相談することが推奨されています。
永久歯の場合
永久歯がぐらついたり抜け落ちたりした場合は、大人と同様に迅速な対応が重要です。生えたばかりの永久歯は、まだ完全に固定されていないこともあり、衝撃を受けやすい傾向があります。
歯科医院を受診する際の目安
見た目に大きな異常がなくても、強い衝撃を受けた歯は内部で神経にダメージが及んでいることがあります。以下のような場合は、症状が軽く見えても歯科医院を受診することをおすすめします。
・歯を強くぶつけた自覚がある
・歯の色が変わってきた
・噛んだときに違和感や痛みがある
・歯ぐきの腫れが続いている
万が一に備えた準備
夏に屋外での活動が増える時期だからこそ、万が一歯をぶつけてしまった場合の対処法を、あらかじめ家族で共有しておくことが大切です。特に歯が抜けてしまった際の対応(歯根に触れない、乾燥させない、牛乳に浸すなど)を知っておくことで、いざというときに落ち着いて行動することができます。
こんな場合は歯科医院を受診しましょう
以下のような場合は、早めに歯科医院を受診することをおすすめします。
・歯がぐらついている、位置がずれている
・歯が欠けた、割れた
・歯が完全に抜けてしまった
・強い衝撃を受けたが、見た目には異常がない
まとめ
夏は屋外での活動機会の増加、水回りでの滑りやすさ、暑さによる注意力の低下など、さまざまな要因が重なることで、転倒による歯のケガが増えやすい季節です。水回りでの走行を控える、適切な履物を選ぶ、こまめな休憩と水分補給を心がけるといった対策を取り入れることで、転倒のリスクを軽減することができます。万が一歯をぶつけてしまった場合の応急処置を知っておくことも、いざというときの安心につながります。楽しい夏の思い出を、安全に作っていけるよう備えていきましょう。
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